「シンドラーのリスト」ホロコーストの惨禍から多くの命を救ったシンドラーの物語

シンドラーのリスト

こんにちは、皆さん! 毎年、終戦の暑い夏がやって来る頃、戦争映画を思い出します。今回は「シンドラーのリスト」。第二次世界大戦の悲劇の中、ある一人の人物が示した“人間性の光”を描いた作品です。

本作はホロコーストという悲惨な歴史的史実に基づく物語だからこそ胸に迫る重みがあります。
人はなぜ他者を救おうとするのか。なぜ残酷さは繰り返されるのか。映画はその答えを示すものではありませんが、そこから私たちは何を感じ、何を学ぶべきなのか、深い問いを投げかけられます。

殆どモノクロの映画「シンドラーのリスト」。映像が描き出すのはホロコーストの悲惨な映像、そして歴史の教科書では触れきれない人間の複雑な感情や心理です。
この映画が投げかけるメッセージ、そして本作を再視聴しての想いを綴ってみました。

目次

「シンドラーのリスト」予備情報

「シンドラーのリスト(英題: Schindler’s List)」は、1993年のアメリカの映画。
第二次世界大戦下、ドイツによるユダヤ人の大量虐殺(ホロコースト)が進む中、ドイツ人実業家オスカー・シンドラーが、自身が経営する軍需工場に必要な生産力という名目で、1100人以上のユダヤ人の絶滅収容所送りを阻止し、彼らの命を救った、実話に基づくストーリーが描かれます。
ホロコースト映画の代表的作品として知られ、上映時間195分と三時間を超える長くて重い映画。

【スタッフ】

監督:スティーヴン・スピルバーグ
脚本:スティーヴン・ザイリアン
原作:トーマス・キニーリー(小説/シンドラーズ・リスト~1200人のユダヤ人を救ったドイツ人)
音楽:ジョン・ウィリアムズ、ヴァイオリン:イツァーク・パールマン

【キャスト】

リーアム・ニーソン、ベン・キングズレー、レイフ・ファインズ他

★YouTube「シンドラーのリスト」Pickup

「シンドラーのリスト」ざっくりあらすじ

第二次世界大戦下の1939年、ドイツ軍はポーランドに侵攻、クラクフの町もドイツ軍の占領下に置かれた。ユダヤ人を激しく蔑視するナチス党ドイツ軍は近隣のユダヤ人を強制的に収容、町は騒然となります。

そんな中、ドイツ人実業家オスカー・シンドラーは戦争を利用してのひと儲けを目論み、クラクフの町で軍用厨房品を製造する工場を開設します。

シンドラーはナチス党員でしたが、ユダヤ人には特に関心も無く、ただの労働力としか見ていませんでした。

シンドラーのリスト/イメージ

経営には有能なユダヤ人会計士イザック・シュターンを雇い、他の人員も、タダ同然で使える収容所のユダヤ人を連れてきて働かせ事業を拡大させていくことに。

冷酷なドイツ将校がクラクフの強制収容所の所長として赴任して来たことで、町の状況は悪化、ユダヤ人への暴虐は止まる所を知らず、住家や財産は没収、その追い立ては執拗で逆らう者は殺されてしまいます。

家族から引き裂かれ、泣き叫ぶ子供達や母親達の声が辺りに響き渡り、弱者は選別され次々と虐殺、さながら地獄絵図のようです。追い立てと虐殺を目の当たりにしたシンドラーは、あまりにも悲惨なその光景に戦慄するのでした。

軍需工場経営のため、当初は収容所の所長と親密な友人関係にありましたが、徐々に彼の冷酷・横暴・非人間的な振る舞いについていけなくなります。金儲けにしか関心がなかったシンドラーの心境に徐々に変化が生じてきます。

シンドラーの工場で働くユダヤ人たちにも危機が迫る中、人間的な使命感につき動かされた彼は、密かにユダヤ人たちを守ろうと決意します。

◆   ◆   ◆

シンドラーは一計を案じ、ドイツ軍司令部と交渉、故郷のチェコに作る工場に必要な人員という名目で、一部のユダヤ人を連れていく許可を得ます。私財を投じて収容所の所長を買収し、多くの数の雇用者リストを作成します。

リスト通り、ユダヤ人達を収容所からチェコに輸送させるよう手配しますが、手違いで一部の人間がアウシュヴィッツに到着、危うくガス室に送られてしまうトラブルがありましたが、シンドラーが賄賂を使い救出し、無事チェコに輸送することに成功します。

やがて、ユダヤ人救出に私財をつぎ込んだシンドラーは破産してしまいますが、同時期にドイツ軍が無条件降伏し戦争が終結します。

戦争が終わり、ナチスに荷担していたシンドラーは戦争犯罪人として裁かれる立場になり、妻と共に逃げることに。シンドラーを見送る従業員たちから、逮捕されても罪に問われないよう、彼がユダヤ人の命を助けた事実を記録した書面と感謝の指輪が贈られ、涙ながらに工場を後にするのでした。

シュターンを含むユダヤ人は解放され、強制収容所の所長はユダヤ人大量虐殺の罪で逮捕・処刑されてしまいます。

シンドラーは戦後もユダヤ人との交流を続け天命を全うします。彼らとその子孫達はシンドラーに深く感謝しつつ・・

★BGMの、心に響くヴァイオリンソロは、ユダヤ人ヴァイオリニスト、イツァーク・パールマンの演奏。

「シンドラーのリスト」見どころ・感じどころ

シンドラーのリスト/イメージ

◆ホローコースト/大量虐殺の史実を知ろう!

ホロコーストとは、第二次世界大戦中にナチス・ドイツが行ったユダヤ人への組織的迫害や大量虐殺のことです。

ホロコーストの歴史的事実が、映画ではどのように描かれるのか? その内容はノンフィクションであることは間違いありませんが、シナリオ上のフィクションも含まれ、想像を膨らませたシーンもあろうかと思います。

しかし、私たちは本作により、過去に起こったホロコーストという恐ろしい史実を目撃してしまうのです。死を目前にした怯える顔を、不条理に殺戮される現場を・・真実に迫って本当に怖い!

ユダヤ人たちが貨車に乗せられアウシュヴィッツ強制収容所に到着するシーンは、実際の同地が撮影場所として使われました。ただし、敷地内での撮影は許可されず、収容所の門外にセットが組まれ、過去の実際シーンさながら、汽車が到着したように見せています・・

◆「命のリスト」を作ったオスカー・シンドラー

シンドラーは最初から人道主義者だったわけではないようです。むしろ、金儲け主義者、享楽的で社交性に優れた実業家、自分もナチス党員の一人でした。
しかし、ナチス党のあまりにも過酷なユダヤ人への迫害、非人間的な行いを目の当たりにして、彼の中の人間性が目覚めたのですね。

自身が経営する軍需工場に必要な人員という名目で雇用リストを作成、1100人以上のポーランド系ユダヤ人を絶滅収容所送りにすることを阻止したのです。

誰しもが心の中に善と悪を持ち合わせている、それゆえに葛藤する。彼シンドラーも私たちと同じ人間味溢れる人物だった。だからこそ、彼の物語は多くの人々の心に響くのでしょう。

「シンドラーのリスト」平和への祈りを

シンドラーのリスト/イメージ

ホロコースト(Holocaust)とは、第二次世界大戦中、ナチス・ドイツの政権下でユダヤ人を対象に行なわれた組織的な迫害や大量虐殺のことです。
この政策は約10年に渡り実施されましたが、特に1941年からドイツ敗戦までの数年間は強制収容所や絶滅収容所での虐殺や強制労働が加速し、犠牲者はユダヤ人約600万人以上とも言われ、その他にも旧ソ連捕虜やエホバの証人なども対象となりました。

本作では、国家や社会が暴力を正当化した時、人間がどれほど簡単に尊厳を奪われてしまうかが突きつけられます。しかし同時に、一人の行動が、どれほど多くの命を救い得るのかを深く問いかける作品でもありました。

大量殺戮は突然起こるのではなく、異なる民族への偏見や沈黙が積み重なった末に生まれるもののようです。映画でも示されたように、圧倒的な暴力と絶望の中でも、人間の尊厳を守ろうとした人々の姿は、時代を越えて私たちに「無関心こそ最大の罪」であることを教えてくれます。

今も世界のどこかで、同じように苦しみ、助けを求める人々がいます。歴史を学ぶことは過去を悼むだけでなく、未来を生きる人々を守る責任と自覚することが大切だとも感じます。
だからこそ、私たちは日々の生活の中で他者への思いやりを失わず、差別や暴力に対して、見て見ぬふりをしないという、小さな勇気の大切さを改めて考えなければならないでしょう。

映画を見終えた後、胸の奥に重く沈む痛みと同時に、確かな希望の光を感じました。絶望の中でも人を救おうとしたシンドラーの姿には心を熱くされます。

平和は祈りだけでなく、私たちの日々の選択や行動によって築かれてゆくものではないでしょうか。過去の悲劇を繰り返さないために、他者の痛みに目を向け、耳を傾け、弱い立場の人を守る社会が築かれてゆくことを願うと同時に、皆々が命の重さを尊重し合える世界が訪れるよう、心から平和の祈りを捧げたいと思います。

第二次世界大戦から十年以上を経た後、オスカー・シンドラーは、イスラエル最高裁判所の委員会が授与する名誉称号「諸国民の中の正義の人」に名を連ね顕彰されました。
非ユダヤ人でありながらホロコーストからユダヤ人を救った正義の人に認定されたのです。

本作「シンドラーのリスト」は、第66回アカデミー賞で最優秀作品賞・監督賞他、脚色賞、撮影賞、編集賞、美術賞、作曲賞の7部門で受賞しました。ホロコーストとその惨禍に巻き込まれたユダヤ人の出来事を後世に残した功績に対する評価と言えますね。

当時、シンドラーと同様、ユダヤ人を助けた勇気ある人物として、日本人・杉浦千畝氏の名があげられます。彼はリトアニアで日本領事館の領事代理を務めていた際、ナチスの迫害から逃れてくるユダヤ人たちを支援し、ビザを発給することで多くの難民を救ったことで知られています。

◆   ◆   ◆

「シンドラーのリスト」まとめ

はい、第二次世界大戦下でのナチスによるユダヤ人迫害ホロコーストの渦中、私財をなげうち1100人以上ものユダヤ人を救ったドイツ人実業家オスカー・シンドラーの実話を描いた重厚なドラマ、史実の再現によって、戦争の本質と人間に宿る光と闇を問いかける物語でもありました。

残虐行為を見るのは辛く胸が痛みますが、誤った国策にマインドコントロールされることの恐ろしさを痛感すると同時に、私達がどれだけ平和な今を生きているか考えさせられます。

シンドラーのように破産してまで他人を助けるなんてことは、なかなかできることではありませんね。彼は権威に取り入る普通の人でありながら、やっぱりただ者ではなかったのです。

自分一人が出来ることはとても微力で限られているでしょうが、私たちは日々の暮らしに小さな善行を心がけることくらいはできそうです。その積み重ねは、人やその心を思いやる、救う側の立ち位置に回れるということではないでしょうか・・

★それでは、またお会いしましょう。Good Luck!

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この記事を書いた人

居所地:日本の中央山岳地域で田舎暮らし
映画・TVドラマ大好き人間
古代ロマン・スピリチュアル小説ファン
Pen name/Blog nickname:福徳星人

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