南太平洋の孤島「青い珊瑚礁」蘇る胸のざわめきと力強い生命力

青い珊瑚礁

こんにちは、皆さん! 南太平洋のまばゆい光に包まれた孤島「青い珊瑚礁」は、海難で漂着し文明から切り離された世界で成長していく二人の少年少女を描いた作品ですが、思春期のロマンスのみではなく、自然の厳しさと生命の力強さを感じる独特の雰囲気を持っています。

改めて見返してみると、当時の映像美や音楽の透明感は今なお色褪せず、むしろ現代の私たちが忘れかけている「生きることの原点」を問いかけてくる物語と言えます。

時代を超えても変わらない普遍的なテーマ、生きとし生けるものの生も死も本能も、全ては自然の摂理に基づいているということが印象づけられます。

今回は、南太平洋の美しい景色や、瑞々しい青春の胸のざわめきを振り返ってみましょう。

目次

「青い珊瑚礁」予備情報

「青い珊瑚礁」(英題:The Blue Lagoon)は、1980年のアメリカの映画。海難により流れ着いた南太平洋の無人島、助かった少年と少女と料理番の船員、三人のサバイバル生活は何年にも及び、やがて船員は病死するも、少年・少女は自然の中で生き延び、成長し、青春時代から結婚へと、純粋で美しい二人の生き様を描いた物語です。

【スタッフ】

監督:ランダル・クレイザー
脚本:ダグラス・デイ・スチュワート
原作:ヘンリー・ドヴィア・スタックプールの「The Blue Lagoon」

【キャスト】

ブルック・シールズ、クリストファー・アトキンズ、レオ・マッカーン、ウィリアム・ダニエルズ

★YouTube「青い珊瑚礁」Pickup

「青い珊瑚礁」ざっくりあらすじ

サンフランシスコを目指して南太平洋を航海中のイギリス船。ある日、その船で火災が発生!
船上はパニックとなり、父アーサーとはぐれた8歳のリチャードと彼の従妹で7歳になるエミリーンは、料理番のパディと共にボートに乗り移り避難したのですが・・

恐ろしい一夜は明けたものの、爆炎が漂い周囲に船の姿は見えず、2日ほど漂流した朝目覚めると、別天地のような美しい島影が目に映りました。
しかし上陸してみると、その島は無人島で、過去に漂流してきたらしい人々の骸骨や酒樽がころがっているばかりでした。

二人の子供たちはパディから毒のある赤い木の実の危険性や縄の結び方、救助を呼ぶのろしの上げ方など、生きるために必要な知恵を教わり、助けを待ちながら暮らしますが、ある時、パディは事故で亡くなってしまい、リチャードたちは途方にくれるのでした。

それでも、幼かった二人は助け合いながら島で生き延び、数年後、美しい少女と逞しい少年へと成長してゆきました。

青い珊瑚礁/イメージ

女らしく成長したエミリーン、男らしい体格になってきたリチャードは、まるでエデンの園のアダムとイブのような毎日を送っていましたが、それぞれ思春期の徴候がそれぞれを悩まし始め、二人はお互いに異性としての意識を持ち始めるのでした。

ある日のこと、水平線の彼方に現れた船影を、エミリーンは目視しながらも、のろしを上げずにやり過ごしてしまいます。これを知ったリチャードは怒って喧嘩の末、彼女を家から追い出してしまいます。

しかし、浜辺でエミリーンが毒オコゼを踏んで衰弱すると、死んでしまうかも知れないと心配したリチャードは必死に看病、仲直りした二人は性的衝動にかられ、初めて愛し合い結ばれます。

◆   ◆   ◆

やがて、エミリーンは妊娠し、お腹が膨らんできます。性知識もなく、陣痛で苦しむも、彼女は無事出産し、パディと名付け子供と三人の新しい生活が始まります。

それから間もなく、息子たちを探し続けていたアーサーの帆船が島の傍を通りかかり望遠鏡で彼らを見つけるのですが、折しも親子三人は泥遊びで全身真っ黒、アーサーは原住民としか認識しなかったのです。
エミリーンもリチャードも今の生活に満ち足り、文明社会からやってきた船に興味を示さず、のろしを上げる気もなかったのです。

ある日、三人はボートで昔訪れた浜辺に行ってみることに。しかし、迫って来た鮫を追い払おうとするうちオールを失い、ボートは潮に流され大海に出てしまいます。
漂流し、食糧も水もなく死を待つばかりという状況に見舞われ、ついにリチャードは覚悟を決めるのです。これ以上苦しまぬよう、みんなで永遠の眠りにつこうと、赤い毒の木の実を口にします。

ラストは大海原を漂うボート。かなたから帆船が姿を現わし、親子が横たわるこのボートを発見します。
意識を失くしている彼らは果たして死んでしまったのでしょうか?
それとも、ただ眠っているだけなのでしょうか・・

◆   ◆   ◆

「青い珊瑚礁」見どころ・感じどころ

青い珊瑚礁/イメージ

本作の撮影に使用された島、南太平洋に浮かぶ孤島は、330もの群島からなるフィジーにあるヤサワ諸島の一つ、ナヌヤ・レブ島。
コバルトブルーに輝く海、青い空、白い砂浜にヤシの木、カラフルな珊瑚礁。まるで絵に描いたような美しい風景はこの映画の大きな魅力となっています。

この地は自然がキープされ、シュノーケリングなどウォーターアクティビティファンに大人気、今や世界中から多くの人々が訪れるリゾート地として知られています。

何の知識もない二人の子供が成長していき、子供から大人への過渡期、思春期を迎え、男女それぞれの事情が生まれ、何となく隠したい秘密が生まれてしまうのですね。思春期の感情の変化や性への目覚めが、人間の本能としてリアルに、自然な形で描かれます。

「性」の描き方は創作者によって穢らわしくも神秘的にもなり得るもの。
「何を見ているんだ?」「・・・」
「この頃キミはおかしいよ。なんだか変な目でボクを見てる」
気恥ずかしさもあるこんな会話から受ける原初的な性感覚が感動ものです!

初めての大きなケンカや瀕死のキワに臨み、お互いが大切な存在だということに気づき、仲直りして自然と結ばれることに・・

ブルック・シールズと言えば、その輝く美貌で1980年代に一世を風靡した女優さん。幼い頃から子役やモデルとして活躍し、15歳で「青い珊瑚礁」で主演、多くの人々のハートを掴んだ伝説の美少女となりました。
名門プリンストン大学を優秀な成績で卒業した才媛でもあり、現在でも尚、女優、映画のプロデュース、更に実業家としても輝き続ける素晴らしい女性です。

リチャードを演じたクリストファー・アトキンズは、オーディションで4,000人もの中から選ばれたラッキーボーイ。「青い珊瑚礁」で映画デビューを果たした彼は、その後一気にスターダムに躍り出ました。当時はカワイケメン、水泳が得意だったとのこと、青い海の中を泳ぐシーンは様になってますね。

「青い珊瑚礁」人間の生命力と愛、そして無常観

青い珊瑚礁/イメージ

社会規範も教育もない孤島での生活は、文明社会では見えにくくなった生命の循環が率直に映し出されます。
食べて命を繋ぐこと、危険から身を守り生き延びること。二人の世界には余計なものがなく、ただ生存と日々の営みがあるだけ。
だからこそ、二人の感情や行動は純度が高く、自然の摂理に沿って、時の流れと共に、知らず知らずのうちに成長していったのですね。
特に思春期を迎えた二人が互いへの愛情と性の衝動を自覚していく過程は、文明社会における「恥」や「規範」から解き放たれた、原初的な人間の姿そのものと言えます。

「生存本能」や「生殖本能」は生き物に共通したテーマ。人間も動物も、みな本能に従って行動し子孫を残しているのです。二人の関係も然り、そうした本能により人は生き、愛し、次の世代へ命を繋ぐという普遍的なテーマが物語には静かに流れています。

リチャードとエミリーはまるで太古の人類のように、自然と共に生き、自然に導かれるように愛を育んでいきます。その姿は、私たちが普段忘れている「生きることそのもの」の力強さを思い出させてくれます。

二人の間にある感情は、ただロマンチックな幻想ではなく、生命の営みの一部であり、文明社会では複雑化してしまった愛や性が、ここではただ「生きることの延長」としてあるがままなのです。

パディの死を目の当たりにしたリチャードたちは、きっと自分たちの死や先行きの不安を感じたに違いありません。子供ながらも「生と死」を自覚したシーンでもあります。

当初「船」を発見したら助けを求めようとしていた二人でしたが、ある時からそれをしないようになります。文明社会に戻る必要が無くなったからですね。
それはきっと、お互いへの愛や生まれた子供との家族愛に満足していたから、それ以上のものは不要だったし、自分たちの幸せを犯されたくなかったからなのでしょう。

そしてラスト、死を悟ったリチャードは家族みんなで一緒に死ぬことを選択します。
ここでリチャードが諸行無常を感じていたかは分かりませんが、救助の船に揺られながら、三人が生死の境にある姿は「自然の前では人間の幸福も未来も儚いもの」と語っているようです・・

家族のためなら、あるいは家族と一緒なら「死んでもいい」という想い、映画が最後に描きたかったのは、ストレートに「愛」と言えるでしょう。父親アーサーも、10年近く、遭難した二人を探し続けていたのですから・・

文明から切り離された世界、生と死が隣り合わせの自然の中で、二人が互いを求め、支え合い、命をつないでいく姿は、純粋で美しく、共感でき心に残ります。
現在、私たちがどれほど文明を享受していても、人間の根底に流れる生命力や本能的な感情は変わらないことが示されているのです。

最後に、彼らが生き延びたのかどうかは明示されませんでしたが、その曖昧さこそが、人生の不確かさと、愛の尊さ、そしてまた無常観をも際立たせるものに思えました・・

◆   ◆   ◆

「青い珊瑚礁」まとめ

はい、南太平洋の孤島へ漂着した少年と少女。美しい自然の中で成長し、純粋な愛を育む二人の青春を描いた瑞々しい物語でした。

本作は世界的に大ヒットした一方、一部の評論家からは、子供二人が孤島で生き残れるはずない、あり得ないなどの酷評も受け、賛否両論説がありました。が、もちろん私は美しく素晴らしい映画だと思ってます!

誰に教えられることもない、何の知識もなかった子供たちが成長し、恋愛し結ばれ、子供ができて生まれて育てる。そういった人間の本能が自然的に現れる、人間も他の動物たちと変わらない生き物なんですね。原初的な性、気恥ずかしさもありますが感動ものです!

この映画から汲み取れるものは、人間の本能的な死生観や愛。諸行無常感も漂わせつつ、愛さえあれば他には何もいらない、愛する者が一緒なら死さえも受け入れられる、と言っているのでしょう・・

それでは、またお会いしましょう。Good Luck!

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この記事を書いた人

居所地:日本の中央山岳地域で田舎暮らし
映画・TVドラマ大好き人間
古代ロマン・スピリチュアル小説ファン
Pen name/Blog nickname:福徳星人

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