「海棠が色付く頃に」レトロな情感と愛憎渦巻く物語

こんにちは、皆さん!「海棠が色付く頃に」は、中華民国時代の風景とレトロな雰囲気が詩情豊かに描かれた作品です。物語の中に織り込まれた美しいラブロマンスや歴史的な背景、そして登場人物たちの愛憎渦巻く複雑な人間関係が見事に絡み合い、独特の魅力を放っています。
「海棠が色付く頃に」は中国TVドラマの中でも人気を集める作品の一つです。化粧師の顧海棠と朗家の御曹司・朗月軒が出会い、運命に翻弄されつつも愛を貫く姿に心を打たれます。

本記事では「海棠が色付く頃に」の美しくも哀愁漂う作品の魅力を紐解いてみます。ドラマを通じて伝わる情緒豊かなレトロ感と感動の世界に浸り愛の行方を追いかけてみましょう。

目次

「海棠が色付く頃に」予備情報

「海棠が色付く頃に」は、2019年に配信された中国のウエブドラマ・全52話です。
激動の中華民国時代を背景に、優れた化粧の才能を持つヒロインと町の大手化粧品店の御曹司との愛と運命を描いたラブロマンス物語です。時代設定や内容の面白さで幅広い年齢層から支持され好評を得ている作品です。

【スタッフ】

監督:ホー・シューペイ(独孤伽羅~皇后の願い~)
脚本:チェン・リー、スー・イーティン

【キャスト】

顧海棠(こかいどう)役:リー・イートン
海棠が子供の頃に失踪した父を捜すため家族と共に昆楊の町にやってきた化粧師。父親の失踪と朗家の関わりに感づき「朗里春」で働きはじめる。/出演作品:射鵰英雄伝・晩媚と影・剣王朝 etc.

朗月軒(ろうげつけん)役:ダン・ルン
朗家の次男。時代を先取りするモダンボーイ、善良で仕事熱心、家業の化粧品店「朗里春」を守るため尽力している。/出演作品:霜花の姫・封神・スウィートドリームズ etc.

朗月明(ろうげつめい)役:イン・ハオミン
朗家の長男。美少年だったが火事で顔に火傷を負って以来、仮面で顔を隠し人目を避けて家に閉じこもっている。/出演作品:独孤伽羅・古剣奇譚 etc.

朗斯年(ろうしねん)役:アレックス・フォン
化粧品の老舗「朗里春」を営む朗家の当主。商いを息子たちに継承すべく心を砕くが、過去の過ちに苦悩している。/出演作品:カンフージャングル・三国志英傑伝・ミーユエ etc.

施済周(しせいしゅう)役:ウォン・マンフウ
朗家の「朗里春」に敵対する「施杭露」を営む施家の当主。過去の因縁から朗家を恨み続け策謀を巡らす悪漢。息子の施迪文(してきぶん)は月軒の親友。/出演作品:射鵰英雄伝・独孤伽羅・傾城の雪 etc.

★YouTube「海棠が色付く頃に」Pickup

「海棠が色付く頃に」ざっくりあらすじ

子供の頃に失踪した父を捜すため家族と共に昆楊の町にやってきた海棠。海棠は父譲りの技術を持つ優秀な化粧師です。ひょんなことから、朗家の次男、月軒と知り合い、最初は反発しながらも月軒の優しさに惹かれてゆきます。

町で化粧品の製造・販売を手掛ける朗家。海棠は月軒と交際するうちに、朗家の隠された秘密が父親の失踪と関連しているのではないかと疑念を持ち「朗里春」で働きはじめます。

化粧品

月軒との結婚話が進みますが、当日、あろうことか、海棠は朗家の女主人に謀られ、月軒の兄の月明に嫁がされてしまいます。月軒は兄のため、心ならずも母親の謀を黙認してしまったことで後悔の念に苛まれることに・・

怒りと悲嘆にくれる海棠でしたが、顔に火傷を負い家の奥深くに閉じこもり暮らす月明に同情し、何とか治してあげたいと、気持ちを切り替え、月軒と共に薬剤や化粧術を試し始めます。

やがて時を経て、海棠の努力が実り月明の顔は癒え、美男に生まれ変わり家業に携わるようになります。しかし月明は、自分より仕事ができる上、海棠と親しくする月軒に嫉妬し、謙虚だった人格が変わってしまいます。

度重なる月明の策略、併せて、ライバルの施家「施杭露」の攻撃に対し、月軒と海棠は再び支え合い、友だちの協力も得て、様々な難局を切り抜けていきます。

施家の当主で悪党の施済周は、町を仕切る軍閥の長官を利用し朗家に陰謀をしかけてきて、朗家はあわや没落寸前の状態に陥ります。

さあ、この状況を朗家はどのように乗り越え、逆転することができるでしょうか?

いよいよ終盤、朗家が抱える秘密の全貌が明かされます。海棠の父親失踪の謎も解明され、養子とされていた月軒の出生の秘密も明かされます。しかし、最後の乱闘で海棠は意識不明に・・

★でも大丈夫!ネタばれですがハッピーエンドで終わるので。

「海棠が色付く頃に」見どころ・感じどころ

チャイナタウン

◆歴史的背景とストーリーの面白さ

「海棠が色付く頃に」は、1912年、辛亥革命によって宣統帝(ラストエンペラー)が退位し清朝が滅亡した後、中華民国へと移行した時代が舞台となっています。
この頃、中国国内では革命に携わった各勢力や反革命勢力が軍事力で国や地域を支配しようと、各地で政争が繰り広げられていました。
軍閥と呼ばれる、こうした勢力が地元の実力者としてドラマにも登場し、良くも悪くも、町の政治や経済に深く関与する様が描かれます。

本作では、こうした軍閥が影響を及ぼす昆楊の町を舞台に、化粧品の商売を営む「朗里春」や商売敵の「施杭露」の対立と策謀、過去における家同士の因縁、朗家に秘された家族事情など複雑に絡み合う人間関係に、顧海棠と朗月軒の恋物語が加わり、美しくも愛憎渦巻くラブストーリーとしてドラマチックに仕上げられています。

◆レトロ感漂う独特な雰囲気がいい

清朝でも西欧文化との交流はありましたが、時代が変わると更に色濃く西欧の影響を受けるようになりました。自国文化との折衷・融合で、ビジネスも盛んとなり、町や生活は新旧が入り交じり独特の外観に彩られました。

ファッションを見れば、親世代では清朝時代の服装や髪型、若い世代では西洋風の洋服や帽子といった具合。服に限らず、建物や家具、町並みや庭園まで、清装あり、また洋装ありと多様な風景、風情に引き付けられ、レトロ感の魅力漂う美しい映像に魅了されます。
演出家の方はもちろんですが、大道具さんやスタイリストさんたちの緻密さと努力、ご苦労が伺えるようです。

◆美しく魅力的なメインキャスト  

とにかく可愛い。AIで作成した実写イラストから抜け出したように可憐な女優さん。本作ではチャイナドレスに身を包み化粧師として活躍するヒロイン役。秘密と陰謀に惑わされながらも、商家の御曹司月軒との愛を貫く姿が美しく切なく心揺さぶられます。
2017年「射鵰英雄伝レジェンド・オブ・ヒーロー」のヒロインとしてブレイク、新人賞受賞。その後も魅惑的な演技と容貌が光り活躍中の女優さん。

朗家の次男役で流行の先端を行くモダンボーイとして車を乗り回す朗月軒。実は家業に誠実で、海棠一筋に愛し抜く姿が素晴らしい。本作の中では洋装もスマートに決めているが、時にはチャンパオというロング丈のチャイナ服を纏う姿も実に魅力的で女性ファンを刺激する。
今やトップスターの一人として人気のダン・ルンさん、シリアスからコメディまで幅広く演じる実力派。歌手としても活躍。

朗家の長男・朗月明は、顔の火傷のせいで家の奥深くで秘密裏に巣ごもり生活する中で海棠を見初めます。顔が治癒した後は美男に戻るのですが、海棠を挟んで月軒とは三角関係となり、執着と嫉妬で心が歪んでしまうという役柄。
ルックスは端正な美形ですが、何故かイン・ハオミンさんはふられ役や嫉妬・妬み役というネクラ的印象がありますね・・? 2004年芸能界デビュー、実力派俳優。

「海棠が色付く頃に」から汲み取る人生哲学・心の糧

海棠の花

「海棠が色付く頃に」は、中華民国時代を背景とした美しいラブロマンスを軸にした物語ですが、周辺では商売に介入する軍閥や過去に秘する事件、老舗のプライドなどにおいて、当時の様相に独特なものが感じられます。

登場人物たちが巡る運命の輪は、まるで因果の糸のように絡まり合い、不可解なまでに複雑です。彼らが、そして私達が遭遇する様々な試練や選択肢は、人生の重要な局面においてどのように判断し、行動すべきかを考えるきっかけとなります。

物語の中では、喜びや悲しみ、苦悩、葛藤が緻密に描かれます。これらの根底には因縁因果の思想が潜み、人生に対する考えを問いかけられます。
過去の誤った行動が、後々の人生に悪影響を及ぼす、こうした因縁因果の連鎖が物語の中で鮮やかに描かれることで、私たちは自らの選択や行動に責任を持つことの重要性を再認識させられるのです。

また、物語には中華民国時代の風情や情感が息づいており、知らずとも懐かしく感傷的な気持ちにさせられます。このような時代背景と絡み合いながら、織りなされる人間模様は、愛や友情の尊さを考えさせてくれるもので、繰り広げられる波乱万丈の物語は、私たちに深い感動と共感を呼び起こします。

この物語を通じて、運命や愛、友情の尊さ、正しい心の在り方、自らの生き方を改めて考え、物語の奥深いメッセージに触れてみましょう。

「海棠が色付く頃に」まとめ

はい、「海棠が色付く頃に」というタイトルの期待を裏切らない美しい映像でしたね。主演の俳優さんたちも美しく優しく見惚れてしまいます。

ストーリーはちょっとおとぎ話のようなところがあり、あり得ない、納得いかないという部分もありましたが、そこはそれ「物語」として大きく見れば全く問題なし。

レトロ調の心に残る美しい作品でした。時間をおいて再視聴したいリストに入れておきたい作品です。

★それでは、またお会いしましょう。Good Luck!

本ブログはSWELLを使用しています
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この記事を書いた人

居所地:日本の中央山岳地域で田舎暮らし
映画・TVドラマ大好き人間
古代ロマン・スピリチュアル小説ファン
Pen name:東岳院展大
Blog nickname:福徳星人

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