絶望と希望「復活の日」に見る生存者、地上の星たち

皆さん、こんにちは!映画「復活の日」は人類の存亡にまつわる深いテーマが込められています。恐るべき細菌兵器や核ミサイルにより人類滅亡という運命に迫られる内容が描かれ、人類の未来に向けての警鐘を響かせる物語です。それは、地球を襲う絶望と希望が交錯する中で、私たちに何を示唆してくれるのでしょうか。
本記事では、人類存亡の危機における人間の限界や強さがどのように映し出しているのか?「復活の日」が人類に訴えかけるメッセージとは?そして古代の地球史から読み解く文明と人類の関わりなどについて探究してみたいと思います。

目次

「復活の日」予備情報

「復活の日」は、小松左京氏が1964年発表した小説を原作とし、角川春樹事務所(旧)とTBSによる製作で、1980年に東宝系で公開されたSF映画です。終末をテーマとしたSF映画を代表する作品の一つで、恐怖の細菌兵器と核ミサイルの脅威により絶滅の危機にさらされた人類、南極に残されたわずかな人々が生き延びようとする姿を壮大なスケールで描き上げたドラマです。

【スタッフ】

監督:深作欣二  脚本:高田宏治
原作:小松左京  製作:角川春樹

【キャスト】

草刈正雄 渡瀬恒彦 夏木 勲 森田健作 小林稔侍 永島敏行
千葉真一 緒形 拳 丘みつ子 多岐川裕美
オリヴィア・ハッセー ロバート・ヴォーン チャック・コナーズ 他

【テーマ曲】

主題曲:ユー・アー・ラブ You Are Love ~復活の日テーマ~
主題歌:ジャニス・イアン

★YouTube「復活の日」Pickup

「復活の日」ざっくりあらすじ

南極

1983年、東ドイツにある細菌ラボからウイルスM-88が盗まれた。その細菌は-10℃以下では活性しないが、0℃を越えると猛毒となる恐怖の細菌兵器であった。細菌を奪ったスパイは小型飛行機で逃亡を図る途中、吹雪で山腹へ激突、細菌は空中に飛散してしまいます。

やがて原因不明の病が広がり始め、その病原ウイルスは世界中で猛威を振るい死者の続出が止まることがありません。このニュースは南極の昭和基地にも届き、隊員たちは日本に残す家族の身を案じるのでした。

その頃、東京では患者が溢れかえり次々に死にゆく人々で混乱を極めていました。ホワイトハウスでは連日会議が開かれ、原因は内密に開発した細菌兵器M-88であることが判明しました。
しかし時既に遅く、蔓延したウイルスでホワイトハウスも崩壊、大統領は南極基地へ「生存への努力を」という最後のメッセージを残し事切れます。

★人類はウイルスでほとんどが死滅に至ります。南極基地で生き残った生存者「地上の星」たちは人類の存続をかけて策を図ります。

そんな折、地穀調査をしていた地震学者の吉住(草刈正雄)はアメリカ東部の大地震を予知します。米軍の少佐は地震の衝撃波で核ミサイル攻撃の自動報復システムが作動する危険を訴え、ソ連側の報復システムの照準の一つには米軍の南極基地が含まれると言います。

地震が起きる前にシステムを解除しなければ地上は壊滅し人類が絶滅してしまう!少佐は自らの使命を悟り大陸へ渡る決意を示します。吉住も少佐の助手として同行を志願するのでした。

試作のワクチンを接種し、二人は潜水艦に乗り込み大西洋からポトマック川を遡りホワイトハウスの司令センターに潜入します。しかし地震のため様々な障害が発生し、ついにICBMは発射されてしまいます。アメリカとソ連の核ミサイルが世界中で爆発、南極基地も破壊され、世界は二度目の死を迎えることに・・

数年後、幸か不幸か一人生き残った吉住はひたすら歩き続けていました。アメリカ大陸を縦断して南米へ、ペルーを越えチリへ、南極に最も近い所を目指し歩き続けていました。ボロボロになって、やっと、チリ南端にある湖畔へたどり着きます。なんと!そこは核攻撃から避難していた南極基地の生き残りの人々が暮らす集落だったのです。

★再会のラストシーンは 泣ける、泣ける・・

「復活の日」見どころ・感じどころ

南極

「復活の日」は、邦画史上最大のスケールで制作された映画とされます。まさに一度見ればなるほどと納得できます。この仕事はかなりの艱難辛苦が伴ったのではと察せられ、キャストさんたちもさることながら、スタッフさんたちの苦労と情熱がひしひしと感じられる大作映画です。

「復活の日」で見るべきは壮大なスケール感、よくぞ創り上げたと!
そして汲み取るべきは「人類への警鐘」です!

◆南極も潜水艦も本物!壮大なスケール! 

美しい南極の空撮、流氷に乗るアザラシ、ペンギン、そして氷山の中を進む潜水艦、すべて本物だということに感心!この南極ロケでは、チリ海軍から本物の潜水艦と哨戒艦をチャーターしての撮影だったと聞き更に驚き!

撮影は南極ロケはもちろん、北はアラスカからアメリカ大陸を縦断し、南はマチュピチを越えてチリまで大移動、1年以上もかかった大変なロケだったようです。

また、世界中のパンデミックによる混乱を撮影するために、ロケは日本、アメリカ、ドイツ、イタリア、ソ連、北極にまで及んだということで、いかに大変な労力が尽くされたかが分かります。

◆人類への 警鐘のメッセージ      

ノストラダムスの大予言は人類への警鐘として知られており、抽象的な部分がありますが、小松左京氏が著わした「日本沈没」「復活の日」は科学的根拠や、また現実的な世界情勢の危うさを見据えた上で、人類への警鐘を発していると捉えることができるでしょう。

カモメ/世界イメージ

天災・人災に襲われた「復活の日」は映画化もされ、私たちに人類存亡の危機を強く暗示させるものになりました。地震大国日本では、阪神・淡路大震災・新潟中越地震・東日本大震災、そして直近の能登半島地震といった激甚災害が次々と発生しています。映画を見た多くの人々は、それぞれの未来に深い洞察を巡らしたのではないかと思います。

映画が発表された時期は、日本ではいわゆる平和ボケしていた頃、パンデミックや核問題は机上の論議でしたが、2024年現在の今はどうでしょうか? 地震やコロナ禍、気候変動、世界のあちこちで起きているテロや戦争。天災・人災が一昔前より近づいてきたと感じる人は多いのではないでしょうか・・

◆生き残った人々「地上の星」が復活する時 

本作を邦画のつもりで見始めたのですが、冒頭は潜水艦の中、延々と字幕によるセリフが続きます。まるで外国映画。「アレー、日本の映画なのかな?」と考えてしまいました。

キャスティングは豪華な顔ぶれですが、特別目立って活躍するヒーロー的な人物がいないからでしょうか、国内では数々の賞を受賞していますが、海外ではあまり高評価を得られなかったのは残念なところです。しかし特別なヒーローがおらず、他のキャストもあまり個性が表われていないところが、返って現実的な社会に近く、物語に真実味をもたせているかもしれません。

とにもかくにも、物語も終盤、ただ一人生き残った主人公が、黙々と歩き続ける途上で崩壊したイエス像に問いかけます。「あなたは何もしてくれませんでしたね?」と。心身共に極限まで追い詰められた人間は神を信じ続けることができるのでしょうか。神とは何だったのでしょうか、考えさせられます。

ラストでは、南極を目指し大陸を彷徨い続けた主人公が地の果てに辿り着き、ついに生き残った仲間たちと出会うシーンがドラマチックでに描かれ感激しました!

★映画のヒットにもかかわらず製作費が巨額のため当初は赤字になってしまったということですが、本作は永久に色褪せることのないテーマを扱っており、人々の心に深く刻まれる作品に違いありません。

「復活の日」から読み解く古代地球史・文明の興亡

遺跡

「復活の日」は、人類が直面する重大な問題に対して深いメッセージを含んでいます。古代の地球史を振り返ると、文明の興亡には様々な要因が影響してきました。天変地異や気候変動、ウィルス、そして核戦争などが、人類の存亡に大きな影響を与えてきたことは否定できません。

古代の遺跡や古文献、地質調査などから、地球には何度も文明の興亡があったことが分かっています。数万年、数十万年という単位で、文明は興隆しては滅亡を繰り返し、その都度生き残った人々はマイナス位置から復活し今日まで人類の命脈をつないできたのです。

◆天変地異や気候変動は人類にとって深刻な問題です。世界中でSDGsなど、持続可能な環境への取り組みや自然保護政策の実施がますます重要度を増しています。

◆ウィルスや病原体との闘いもまた人類共通の課題であり、危険なウィルスへの備えを怠ってはならないでしょう。科学技術の研鑽・進歩が待たれるところです。

◆また、核戦争という極めて破滅的なリスクも私たちの前に広がっています。国際社会の協力と平和への努力が、核の脅威から人類を守る鍵となります。

映画では、細菌兵器や核ミサイルという人災により街も人も壊滅してしまい、人々がこれらの脅威に立ち向かう姿が描かれています。人類存亡にかかわる問題に対する警鐘とともに、人類の希望と勇気をも思い知らされます。

「復活の日」という物語が私たちに問いかけるのは、人類が直面する脅威にいかに立ち向かい、いかに未来に向かって進むかという重要なテーマでです。
私たちが現代社会で直面する課題に対処するための示唆を与えてくれると同時に、この地球という星に住まう人々全てが歴史から学び、新しい未来を創造していこうとする努力が求められます。

自分は何をすることもできない力無き者ですが、「天地が平穏で、世界中は仲良し、皆が幸せに暮らせますように」という想いだけは常に失わず、天に願いをかけたいと思います。

「復活の日」まとめ

はい、見せてくれましたね~、巨額の制作費用や南極ロケという困難を乗り越えての壮大なスケーの映像、そして人類の存亡をかけた生き残りの術を目の当たりにしました。原作者の故小松左京氏の未来を予想する目には敬服です。

「復活の日」は原作の誕生から50年という長い年月を経ても、現実問題として見ることができる物語りです。予言のような災禍が現実に起きないとは言えない、と誰もが思っているからではないでしょうか。

本作を通じて、私たちは未来のために、どのようこの地球の平和を守り、どのように人々と援けあえるかといった意識を改めて心に刻みつけられました。
「復活の日」は映画ファンなら必ず、映画ファンでなくとも絶対観ておきたい作品です。

★それでは、またお会いしましょう。Good Luck!

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この記事を書いた人

居所地:日本の中央山岳地域で田舎暮らし
映画・TVドラマ大好き人間
古代ロマン・スピリチュアル小説ファン
Pen name:東岳院展大
Blog nickname:福徳星人

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