「武則天~The Empress~」豪華絢爛・中国史上唯一の女帝ヒストリー

武則天/タイトル

こんにちは、皆さん! 唐の宮廷に渦巻く権力と陰謀。その渦中へ身を投じた一人の女性・武如意。「武則天~The Empress~」は、中国史上唯一の女帝が誕生するまでの道のりを、圧倒的な映像美と緻密な人間描写で描き出したドラマチックな歴史物語です。

華やかな衣装の奥に潜む緊張、甘美な愛情の裏にある計算、そして時代を動かそうとする強い意志。宮廷の陰謀に巻き込まれながらも、自分を信じて前向きに進む武如意の姿は生々しくも人として強く美しい。

華やかな宮廷の光と影、愛と孤独、選択の重さ。本記事では、そんな武則天の人生に焦点を当てながら、作品の魅力と余韻を綴ってみたいと思います。

目次

「武則天~The Empress~」予備情報

「武則天~The Empress~」(中国語: 武媚娘传奇)は、2015年の中国のテレビドラマ。主人公は中国統一王朝唯一の女帝で、中国三大悪女の一人とも言われる武則天の生涯を描いた中国歴史ドラマです(全82話)。
ヒロイン武如意が宮廷に入り、数々の権力闘争をくぐり抜け、ついには中国史上唯一の女帝に上り詰めるまでの波乱万丈な人生が描かれます。

【スタッフ】

監督:ガオ・イージュン(高翊浚)
脚本:パン・プー(潘朴)

【キャスト】

武則天/武如意(ぶ・にょい) 役:ファン・ビンビン(楊貴妃)
皇帝/李世民(り・せいみん) 役:チャン・フォンイー(項羽と劉邦)
韋貴妃(い・きひ) 役:チャン・ティン
武如意の友/徐慧(じょ・けい) 役:チャン・チュンニン(如懿伝)
長男・皇太子/李承乾(り・しょうけん) 役:リー・リーレン
三男・呉王/李恪(り・かく) 役:リー・ジェ
三代目皇帝/李治(り・ち) 役:アーリフ・リー(双嬌伝・白華の姫)

★YouTube「武則天~The Empress~」Pickup

「武則天~The Empress~」ざっくりあらすじ

唐の第2代皇帝・李世民の時代。その後宮に美しい少女・武如意が入宮します。武如意を待ち受けていたのは厳しい後宮の掟と権力を競う妃嬪たちでした。

武如意は親しい友となった徐慧と力を合わせ、持ち前の勇気と天真爛漫な性格で、野望と思惑が渦巻く後宮で生き残る術を身に着けてゆくのでした。

ある時、武如意は皇帝に披露される「蘭陵王」の演舞を妃嬪たちと競い勝ち取るのですが、それを妬む者によって掖庭に追われてしまいます。

しかし、大朝会の恩赦で掖庭から解放され、馬術を駆使した弓の腕比べで自ら的となったことを誉められ、皇帝から「媚娘」とい名を受け才人に返り咲き、一躍寵妃の座に昇ってゆくことに。

嫉妬に駆られた韋貴妃は、武媚娘を陥れようと策謀を巡らせますが、最後には自業自得で、様々な罪が明らかにされ掖庭の獄に入れられてしまいます。

皇帝の寵愛を一身に受ける彼女は、更なる陰謀と帝位争いに巻き込まれていきます。

武則天/イメージ

親友であった徐慧もまた、武媚娘への嫉妬心から、皇太子の謀反に武媚娘もかかわったと密告したのです。

皇太子の謀反はあえなく失敗に終わり、武媚娘も獄へつながれましたが、彼女を救ったのは、以前から武媚娘を慕う皇帝の息子・雉奴(後の皇帝・李治)でした。

一難去ってまた一難が武媚娘を襲います。皇室に影響を及ぼす預言者・李淳風により「唐の世は3代で滅び女帝武氏が取って代わる」と告げられます。この予言で武媚娘を排除するよう大臣たちの奏上に李世民は悩みます。

◆   ◆   ◆

この頃、李世民の娘・高陽公主は僧・弁機と愛し合う仲となり、これに怒った李世民は弁機に処刑を言い渡すも、怒り心頭に発し倒れてしまい、後事を重臣に託し崩御してしまいます。
李世民崩御により九男・李治が皇帝に即位、武媚娘は宮外の道教寺院へ追放されることに。

しかし武媚娘を忘れられずにいた李治は寺院を訪れ密会、懐妊を理由に武媚娘を再び皇宮に迎え入れます。

大臣・長孫無忌は他の大臣たちと結託、武媚娘を宮中から追い出そうとするも、李治は断固として武媚娘を守ります。やがて武媚娘は皇子を産み李弘と名付けます。

しかし喜びもつかの間、李治は持病の発作で倒れてしまい、以降体調が優れなくなってきます。体調不良の李治に代わり武媚娘が朝議に出席、大臣たちを取り込み宮中での勢力を着々と広げてゆきます。

◆   ◆   ◆

そうした中、権力を得た武媚娘は、反対勢力の王皇后と蕭淑妃を謀により貶め、彼女たちに毒酒を下賜し命を奪います。武媚娘は皇后の座まで上り詰め、やがて李弘を皇太子に立てます。

しかし、対立勢力を次々に粛清する母親の専横にずっと不満を深めていた李弘は、公然と武媚娘を弾劾、王位継承を狙っていた李賢とも対立し、朝廷に動揺が広がります。

そんな折、宮廷に疑惑の嵐が巻き起こります。突然李弘が毒殺され、また一方で李賢は謀反の疑いで追放され、更には、李治の寵愛を受けた賀蘭敏月が武媚娘の毒殺を計画、運よく危機を免れますが、信頼していた姪・敏月の裏切りを武媚娘は許さず殺してしまいます。

王位継承を巡って、誰が誰を殺したのか、真相は陰謀の闇の中。老いて死を悟った李治は、武媚娘を疎みながらも、国を支えてきた妻を理解しようと・・

◆   ◆   ◆

「武則天~The Empress~」見どころ・感じどころ

武則天/イメージ

宮廷ドラマならでは、とにかく豪華絢爛。居並ぶ美女、妃嬪たちの色彩豊かな衣装や煌びやかなヘアアクセサリー、宮廷の荘厳な作り、室内のセットも古美術作品が並ぶよう、この圧倒的な映像美が本作の大きな魅力の一つとなっています。
2018年の「如懿伝」や「瓔珞」に先駆けて、総製作費56億円という、豪華絢爛な絵物語が繰り広げられます。

本作は、その豪華さと重厚なストーリーが両立した歴史大作ドラマ。史実をベースにした人間ドラマでもあり、一人の女性が権力の頂点にまで上り詰める過程が丁寧に描かれます。

ヒロイン武如意は後宮を舞台に、権力争いの渦中で数々の試練を乗り越えてゆきます。時には愛を駆け引きの道具として、時には現実に直面した辛い決断や選択をする必要もあり、その度に葛藤や苦悩を抱えながらも前に進み、強い女性に成長してゆくのです。

武則天を演じたのは圧倒的な存在感を誇る女優ファン・ビンビン。
古代、男性中心の社会にありながら、皇帝にまで上り詰めた女性の生き様は、現代の私たちにも大きなインパクトが与えられるものです!

◆   ◆   ◆

「武則天~The Empress~」なんで悪女に?

武則天が「悪女」と呼ばれる理由は、権力の獲得と維持のために行った残酷な恐怖政治が、後世、儒教を思想背景とした男性中心社会において強く非難されたためです。

・敵対する王皇后や蕭淑妃を陥れるため、自らの幼い娘を殺害、その罪を仕立て上げ彼女たちを残酷な方法で処刑した。
・敵対する重臣や名門貴族・皇族まで次々と粛清し、政敵を徹底的に排除した。
・成人し、公然と母親を非難する皇太子・李弘を毒殺、次候補・李賢も謀反の嫌疑で廃位した。
・ついには皇位簒奪、自ら帝位についた。

武則天/イメージ

等々、武則天による残虐な政敵排除が具体的に史書に記録として残されているのです・・

武則天を悪女と表記する史書の多くは敵側の手によって書かれたもので、政治的プロパガンダも多かったのではないかと推測できます。特に、武則天亡き後、唐王朝は武氏政権を否定する必要もあったわけです。

また、当時の儒教社会では、女性が皇帝になるのは秩序破壊とみなされ、儒学者たちは強く批判、そのため粛清相次ぐ恐怖政治や残虐性が誇張して描かれたのではないでしょうか。

現代の歴史学では、武則天の悪女像は後世の政治的・思想的偏見により仕立てられてものが大きく、政敵の粛清はあったものの、女性統治者としては、その実力が再評価されているようです。

武則天が行った残酷な行いや恐怖政治は、ただ単に「性格の残忍さ」だけで理解するには無理があるようです。その苛烈な性格は、彼女が置かれた環境から必然的に生まれた生存戦略だったと言えないでしょうか。

武如意が身を置いた後宮は、皇帝の寵愛争い・朝廷の派閥争い、失脚すれば一族皆殺しという極端な世界、正直者や弱者は生き残れない怖い環境にあったのです。

そうした渦中、彼女は何度も敵対勢力に陥れられ、誹謗中傷、失脚工作、暗殺未遂と、常に、死と隣り合わせの環境にあり、苦痛や屈辱を味わいます。

権力を得てからの彼女の残酷過ぎるな粛清や恐怖政治は、彼女の長年の苦痛、積年の恨みに対する反動であり、復讐でもあったと思われます。また、そうした殺される恐怖や悔しさをバネに、上位に昇ろうと必死に思考し頑張れたのだとも思います。

武則天は若い頃から書物に通じ、判断力が鋭く、自分の能力に自信を持っていたとされます。もともと上昇志向が強い女性だったのですね。

武則天は、その優れた政治手腕で唐の繁栄を支えました。科挙制度を整備し、名門貴族の特権を削減、実力主義の官僚登用を進めました。また、農業改革や灌漑整備など民生にも配慮し、多くの功績を残しています。

武則天が起こした変革の嵐、当然既得権益層はこれに反発します。彼らの抵抗を押し切るためにも、彼女は恐怖政治という旗を振らざるを得ませんでした。苛烈さは改革推進のための強制力だったのです。

総括してみると、武則天の残酷さは性格ではなく、
 ①環境が生んだ必然的な反動心理による報復
 ②敵対勢力に対する自己防衛
 ③政治改革を強行するため
これらが絡み合った結果によるもの、というのが妥当な理解ではないでしょうか。
してみると、悪女とする古典的評価を脱し、彼女を「歴史の中に生きた一人の人間」として捉えることができますね・・

【中国史における三大悪女の一人/呂稚】
漢の初代皇帝・劉邦の皇后だった呂稚も武則天同様、その人生は何度も命の危機や夫の浮気など苦い経験を重ね、劉邦亡き後の国家統治では、自分や子供、一族の防衛を図るべく恐怖政治に傾いていったたと考えられます。

【中国史における三大悪女の一人/西太后】
清朝末期、同治帝~光緒帝を支配し実権を握っていた西太后でしたが、国内の混乱と複雑な対外勢力への政治判断の誤りによって国は崩壊。革命新政権により、彼女は国を滅ぼした張本人とされ、奢侈・腐敗の象徴、封建専制の象徴として描かれました。実際のところ、国際情勢に翻弄された女性と言えるのかもしれません。

「武則天~The Empress~」まとめ

はい、史実をベースにした重厚な人間ドラマ。愛と運命に翻弄されながらも、天下への道を突き進んだ史上唯一の女帝・武則天の物語でした。

愛憎渦巻く後宮、後宮を絡めての朝廷内の権力闘争、その渦中を生き抜いた波乱万丈な武則天の人生、まさにスリリングなストーリーに感情を揺さぶられました。

本作は脚色上のフィクションもかなり盛られていますが、史実がベースにある重み、女性の野心と成功ストーリー、そして豪華絢爛たる宮廷のビジュアルを包括した完成度の高いエンターテイメント作品、一見の価値ありです!

★それでは、またお会いしましょう。Good Luck!

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この記事を書いた人

居所地:日本の中央山岳地域で田舎暮らし
映画・TVドラマ大好き人間
古代ロマン・スピリチュアル小説ファン
Pen name/Blog nickname:福徳星人

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