こんにちは、皆さん!「フィラデルフィア・エクスペリメント」は、嘘か誠か?真偽が問われる都市伝説をモチーフに制作された映画です。
第二次世界大戦中のアメリカ海軍の極秘実験がもたらした驚愕の事件、それは、駆逐艦が瞬時に消え、別の場所へとテレポートしたという、謎に満ちた伝承をベースに、科学と超常現象の境界を巧みに描いたSF映画です。
歴史の裏に隠された真実とは?リアリティとフィクションの絶妙なバランスが都市伝説として私たちの好奇心を掻き立てます。
本作は、時空を超えた移動がもたらす衝撃やタイムスリップアドベンチャーの魅力を存分に味わうことができる作品、ユニークなストーリーの魅力を振り返ってみましょう。
「フィラデルフィア・エクスペリメント」予備情報
「フィラデルフィア・エクスペリメント」(英題:The Philadelphia Experiment)は、1984年のアメリカ映画。軍の極秘実験の失敗によりタイムスリップした戦艦の乗組員が、時空を超えて異変を解消するため、命がけでワームホールに挑むというストーリー。本作は都市伝説として知られる「フィラデルフィア計画」をモチーフに制作されたSF映画です。
【スタッフ】
監督:スチュワート・ラフィル
脚本:ウィリアム・グレイ、マイケル・ジャノヴァー
原作:チャールズ・バーリッツ、ウィリアム・L・ムーア
【キャスト】
マイケル・パレ、ナンシー・アレン
「フィラデルフィア・エクスペリメント」ざっくりあらすじ
時は1943年、第二次世界大戦の最中、フィラデルフィアの軍港で米海軍によるある極秘実験が行われました。ロングストリート博士指揮の下行われたそれは、味方の船が敵のレーダーに探知されないようにするための科学的実験でした。
駆逐艦エルドリッジの乗組員、デビッドとジムが実験機器を起動させると、異常な放電現象が起こり、乗組員たちが大火傷を負ったり、壁に身体がめりこんだりと大惨事が発生してしまいます。

異変に気付いたデビッドとジムは慌てて海に飛び込ますが、そこに海は無く、真っ暗な穴の中に吸い込まれるように落ちて行くばかりでした。
その時、エルドリッジ号はレーダーから消えたのみならず、実際に海上からも姿を消してしまったのです。果たして実験は成功したのか?失敗したのか?
やがて二人はどことも分からぬ町に降り立つ事ができましたが、突然現れたヘリコプターの威嚇射撃に逃げ惑い、たまたま居合わせた女性アリソンの車に助けられます。
彼女から、ここはネバダ州、今は1984年だと知らされデビッドとジムは信じられず言葉を失います。時間と距離を超え40年後にタイムスリップしてしまったのです。
◆ ◆ ◆
逃走中、二人は病院で診察してもらいますが、ジムの体は磁器波を受けたように赤く帯電し、皆が驚き見守る中、あっという間に消えてしまったのです。
残されたデビッドはアリソンの助けを借りて故郷を訪れると、既に親は亡く、ジムの一家は健在でしたが、皆が年老いていました。40年前に行方不明となったデビッドが、当時の若さのまま戻って来たことに驚きますが、あの事件以来ジムは精神障害に苦しみ、辛い記憶は忘れてしまいたいようでした。
その頃、ロングストリート博士は砂漠のゴーストタウンで、40年前と同じような実験を行なっていました。しかし、実験のあまりに膨大なエネルギーで時空にひずみが生じ巨大なホールが出現、その渦があらゆるものを吸い込み危機的状態に陥っていました。
原因を究明すべく天空の渦に送り込んだ探査カメラに、消えた町と共にエルドリッジ号が写し出され、博士は過去の実験と現在の次元の関連を考察し、封鎖されていた実験場に突然現れたデビッドたちの捜索を軍に依頼します。
◆ ◆ ◆
間もなくデビットたちは軍の追跡隊にみつかり実験場へとやってきます。博士はデビットに穴の中の映像を見せ現状を説明し、動力源になっているエルドリッジ号の装置を破壊して欲しいと頼みます。過去の報告書によると、デビットが装置を止めた記録があるという話をします。
それを聞いたデビットは、エルドリッジ号の仲間を救うため自らの命をかけて、ワームホールへ挑みます。防護服を着込み、アリソンに別れを告げ、ワームホールの中へ打ち上げられます。
デビットは無事エルドリッジ号に辿り着き、警報が鳴り響く艦内で斧を振るい装置を破壊すると異変は徐々に納まり、任務は成功と、デビッドは駆逐艦から飛び降りました。
こうして、1943年にフィラデルフィア港で消えたエルドリッジ号は、乗組員の惨状と共に姿を現わし、同時に、1984年の砂漠には消えた町が戻り、次元の渦は消え去ったのでした。静まり返る町の中を、アリソンは一人デビッドを探し続けるのですが、さて再会は・・
「フィラデルフィア・エクスペリメント」見どころ・感じどころ

◆科学と超常現象を巧みに描く
都市伝説をベースに制作された本作は、科学と超常現象、リアリティとフィクションが絡み合い、もしかして本当に歴史の裏に隠された真実があるのではないかとさえ、好奇心が掻き立てられるストーリーです。
ジャンルはSF、発想や展開がユニークで面白い!
極秘実験中に電磁気の暴走で異常事態が発生しエルドリッジ号では想定外の大惨事が発生、乗組員が40年後にタイムスリップ、40年後に再び繰り返された実験では町が消え、巨大なエネルギーにより発生したワームホールの渦中には消えた町とエルドリッジ号がテレポーテーションされている。
最後は命がけの任務を背負い時空間に挑むタイムスリップアドベンチャーにも熱くなります。
◆ユニークな発想・逆浦島太郎
お伽噺の浦島太郎は、竜宮城では歳をとらずに若いまま過ごせましたが、陸地に戻ったら過ぎた年月相応のお爺さんになってしまったという物語でしたね。
本作では、主人公デビッドは、40年後の世界にタイムスリップして、既に老齢となった故郷の人々に会うことになります。一緒にタイムスリップしたものの磁場の影響で消えてしまった(元の世界に戻った)友人とも再会しますが、彼もまた老人となっていたのです。デビッドだけが青年の姿で現れたもんですから皆はビックリ!
事故の原因を解消すべくデビッドは次元の渦中へ飛び込みます。エルドリッジ号に辿り着き、任務を果たし、そのまま残れば元の世界に戻ることもできたのですが、タイムスリップした先でデビッドを助け生死を共にした彼女アリソンが待つ、40年後の世界への帰還を選択します。
無事アリソンと再会したデビッドは若いままで彼女とのロマンスが締めくくられます。浦島太郎のように、お爺さんにならなくてよかったー・・
「フィラデルフィア・エクスペリメント」都市伝説の真偽

フィラデルフィア計画とは
第二次世界大戦中、アメリカでは駆逐艦や飛行機が敵のレーダーに捕らえられないようにする技術の研究や実験が繰り返されていました。
担当した科学者のニコラ・テスラは、駆逐艦や飛行機が発する電磁気をレーダーが感知しないようすべて消滅させるという方法を試していました。
しかし、この方法は強い電磁エネルギーを発生させ、その強大な磁場をコントロールできずに死者や精神錯乱に陥る者もおり、彼はこの技術に危機感を抱きプロジェクトを中止するよう上層に進言し、自らは実験を降りてしまいます。
プロジェクトは科学者ジョン・フォン・ノイマンに引き継がれ、1943年にフィラデルフィア軍港において、駆逐艦エルドリッジで実験が行われました。
エルドリッジ号には何十人もの乗組員が乗っていました。この試行は機器のみではなく、人体実験とも言えるものだったのです。
伝えられる実験結果の真偽
テストが開始されると、エルドリッジ号を包むように強力な磁場が発生します。海面が緑色に光り霧のようなものが発生し、エルドリッジ号は視界から消え、同時にレーダーからもその姿を消してしまいました。
実験は一見成功したかのように見えましたが、しかし、ここで思いもよらないことが起きてしまいます。
消えたエルドリッジ号は、なんと320キロ離れたノーフォーク軍港に瞬間的に移動していたと言うのです。ノーフォーク軍港では6時間もの間滞在していたという目撃情報があります。が、不思議なことに、フィラデルフィアの実験場に居た人の証言では、消えたエルドリッジ号は数秒で戻ってきたとあるのです。
そしてまた、エルドリッチ号の乗組員たちには悲劇が起こっていました。艦内では真っ黒に火傷した者、硬直死している者、壁にめり込んでしまった者など阿鼻叫喚の有様。生き残った者たちも発狂していたり、あるいは精神を病んでしまったとされています。
最先端の科学実験の結果は、死者・行方不明者16人、発狂者6人という大惨事を招いてしまったことが伝えられています。
◆ ◆ ◆
その後、軍はこの実験の継続を中止し、フィラデルフィア計画の資料を重要軍事機密として封印したことが伝えられています。1943年のフィラデルフィアで行われた実験で、何かが起こった可能性は否定できないのではないでしょうか・・
「フィラデルフィア・エクスペリメント」まとめ
はい、嘘か本当か?第二次世界大戦中の軍事的な秘密実験の事故、都市伝説「フィラデルフィア計画」をベースとしたユニークなSF映画でした。
40年後の世界にタイムスリップしてしまった男性が、時空を超えて異変を鎮めるべく任務を遂行するという、タイムスリップアドベンチャーの苦悩と勇気が描かれます。
主人公は、異変が治まったエルドリッジ号にそのまま残れば元居た時代に戻れて、めでたしめでたし、という選択もあったと思われますが、結局は未来で出会った女性の元へ生還するのですね。愛で締めくくられハッピーエンド、これもまたいいかも、感動的でした・・

★それでは、またお会いしましょう。Good Luck!