こんにちは、皆さん!「科学が歴史を塗り替える時、何が起こるのか?」そんな問いかけから始まる「タイムライン」は、時空を超えた冒険の扉が開くSFアドベンチャー映画です!
舞台は14世紀、消えた遺跡発掘チームのリーダーを探し、時空間転送装置で百年戦争の真っただ中へタイムトリップした考古学者チーム。過去に飛び込み、激動の時代で命がけの救出劇が始まります。
遺跡調査という知的好奇心、予測不能な戦乱、敵陣からの脱出劇、不安定な時空間転送装置、ハラハラドキドキが止まりません。歴史と科学、ロマンスとサスペンスが交錯する濃密な世界観に一気に引き込まれてしまいます。今回今一度、時を超える冒険の旅を振り返ってみましょう。
「タイムライン」予備情報
「タイムライン」は2003年のアメリカ映画。古城の遺跡発掘中、行方不明になった教授を救出するため、チームの考古学者らは、秘密裏に開発されていた某社の時空間転送装置で中世ヨーロッパへ。フランスとイギリスの100年戦争の時代へタイムトリップする彼らの冒険を描いた、SFアドベンチャー映画です。
【スタッフ】
監督:リチャード・ドナー(オーメン・スーパーマン)
原作:マイケル・クライトン(ジュラシック・パーク)
【キャスト】
ポール・ウォーカー、フランシス・オコナー、ジェラルド・バトラー、ビリー・コノリー
「タイムライン」ざっくりあらすじ
フランスのドルドーニュの発掘現場で、14世紀の地層から行方不明になっていた発掘チームのリーダー・ジョンストン教授の眼鏡と、助けを求めるメモが発見されます。そこは14世紀にフランス軍と英国軍が戦った百年戦争の戦地でした。
発掘チームの一員クリスの父親である教授が、スポンサー企業のITC社を訪問したまま戻らなかったことで、クリスたち発掘チームがITC社を訪れると、驚きの事実が告げられます!
ITC社は秘密裏に時空間転送装置を開発していましたが、試用中に教授は中世ヨーロッパへ行ったまま戻れなくなり苦慮していると伝えられます。

相談の結果、極めて危険なタイムトリップと知りながらも、クリスたちは教授の救出を引き受けることに。救出チームは6人、クリスと友人のマレク、ケイト、フランス語を話せるフランソワ、元海兵隊員、ITC社のゴードン。
時空間転送装置の衝撃を耐え、無事に14世紀のカステルガールに転送されるも、滞在期限は6時間というタイムリミットがありました。
◆ ◆ ◆
到着早々、英国軍の騎馬隊に襲われ、クリスたちは散り散りに逃げたのですが、海兵隊員に矢が命中し死亡、マレクは英国軍に追われていた現地女性クレアに一目ぼれ、彼女を救出するも、合流した村で皆が英国軍に捕まってしまい、フランソワは殺害されてしまいます。
クリスたちは牢屋で教授と再会し、一度は全員で牢屋から脱出したのですが、クリスとケイト、クレアは逃げ延びるも、ゴードンは敵に殺され、教授とマレクは再び捕らえられラロック城に監禁され火薬づくりを命じられます。
クレアは兄のアルノー卿が率いるフランス軍隊と合流し共に決戦に臨みます。城の見取り図を把握していたケイトは、城に繋がる地下道から侵入、教授たちの救出を試みます。城を占領していた英国軍とフランス軍は激しく戦い、火薬庫の爆発で城内は大混乱を極める中、クリスたちは仲間の救出に成功します。
◆ ◆ ◆
タイムリミットが迫る中、マレクは一目ぼれしたクレアとこの時代に残ることを選択、クリスとケイト、教授の3人は装置を起動させ無事に現代に戻ることができたのでした。
過去に残ったマレクを案じるクリスたちは、発掘現場に戻り、一つの石棺を発見します。そこには「アンドレ・マレクは最愛なる妻と眠る」と文字が刻まれていました。それは、マレクが14世紀で愛する人と人生を全うしたことが示された証でした・・
「タイムライン」見どころ・感じどころ

◆ストーリー展開の面白さ!
遺跡調査という知的好奇心、予測不能な戦乱、敵陣からの脱出劇、不安定な時空間転送装置、ハラハラドキドキが止まりません。歴史と科学、ロマンスとサスペンスが交錯する濃密な世界観に一気に引き込まれてしまいます。
危うい時空間転送装置を使用し、14世紀のフランスにタイムスリップしたまま戻れなくなったジョンストン教授の救出に、息子のクリスや助教授のケイトたちがタイムスリップ、そこはフランス軍と英国軍が戦う百年戦争の真っ只中でした。
潜入先で教授と再会できたものの、囚われたり逃亡したり、意外な人物と出会ったり、彼らに許されたのは6時間というタイムリミット、果たして救出チームは教授を無事現代に連れ戻せるのでしょうか?
14世紀の服装や戦闘装備、鎧や剣、古城や風景も見どころの一つ。
◆時空を超えて冒険の扉が開く
劇中の時空間転送装置は、量子力学を用いて時間移動を可能にした装置ですが、まだ完璧ではなく不安定な状態という設定なので緊張感が高まります。
タイムスリップ映画に共通する「歴史を変えてはいけない」という設定は、本作の中にもあって、現代の武器は持っていかない、眼鏡も外すなど、過去に干渉しないよう気を使うシーンが設けられています。
にもかかわらず、マレクは歴史上処刑になるはずの女性レディ・クレアを助け歴史を変えてしまうのですね。チームの海兵隊員は現代の武器である手榴弾を持っていたし、他にも歴史に干渉しているものが? ちょっとチグハグ感がありますが、そこはそれ、細かい所はぬきに楽しめるエンターテイメント冒険映画です!
◆AHa!アハ感覚の落しどころ
AHa!感覚とは、これまで理解できなかったことが、何らかのきっかけで、突然理解できたり、インスピレーションがひらめくといった感覚や体験を言います。
現代人がタイムスリップで過去へ行って分かったこと、また、過去で見聞きしたことが、現代に戻ってはじめて「ああ、そういうことだったのか!」と。劇中にはこうした布石がいくつか秘められていて、最終的にはすべて回収され、すっきり納得のThe Endとなります。
発掘現場で美しい壁画が破壊され憤慨していたケイトですが、実は過去に旅した自分が壊したものだったとはね・・
「タイムライン」世界史/100年戦争

イングランドとフランスの100年戦争・概略
「100年戦争」は、1337年~1453年にイングランドとフランスの間で長期間続けられた戦争です。
前々から、イングランド王家はフランス国内に有する所領の宗主権を巡って歴代フランス王と対立していましたが、1337年、フランス王女を母に持つイングランド王エドワード3世が、フランスの王位継承を求めたことで開戦、約20年に渡り戦闘が続きました。
結果、複数の戦いでイングランドが大勝、1360年のブレティニー条約で、エドワード3世はフランス王位請求権を放棄する代わりにフランス西部に広大な所領を得たのです。
しかしフランスは反撃のチャンスを伺い、その後も戦いは続き、フランス・シャルル5世の時、大半の領土を奪回し、1396年には和平条約が結ばれます。が、後を継いだシャルル6世が病弱なため、有力貴族が勢力を伸ばし、アルマニャック派とブルゴーニュ派が内部抗争を繰り広げ国内は乱れ始めます。
一方、イングランドではヘンリー4世の王位簒奪により新王朝が誕生し、継承したヘンリー5世はフランス国内の混乱に乗じて、大陸の領土戦争を再開します。1415年のアジャンクールの戦いでイングランドが大勝し、1420年のトロワ条約でイングランド王家がフランス王位を継承することが認められました。
そうしたことでフランスの領土は、英仏の王家と有力貴族諸侯の権力抗争の場となり、戦争が止むことはありませんでした。
周辺諸国も巻き込んでの一進一退の攻防が続く中、フランス軍はイングランド軍に押されていましたが、そこへ神の啓示を受けたという女性ジャンヌ・ダルクが現れました。
ジャンヌ・ダルクはフランス軍を率いて戦い、1429年、戦略的に重要な街オルレアンの包囲戦で勝利し、またシャルル7世の王位継承を転機に戦局はフランス優勢に転じます。
1435年、英仏同盟(アラスの和約)が成立するも、更に戦闘は続き、フランス軍優勢のうちに、イングランドは1450年にノルマンディーから撤退、1453年にはボルドー陥落により、イングランドは大陸における領土のほとんどを失い、フランスの勝利に終わったのです。
「タイムライン」まとめ
はい、SFファンタジーや迫力の戦闘シーン、歴史ロマンとラブロマンスを絡めたタイムトリップアドベンチャー映画でした。
謎のメッセージを残し消えた発掘チームのリーダー救出のため、中世のフランス、100年戦争の渦中にタイムトリップした考古学チームのハラハラドキドキ感満載の冒険ストーリー、楽しめましたね。
本作をきっかけに、背景となった中世ヨーロッパの100年戦争について少々学びましたが、英仏王侯貴族の領地争いの歴史は熾烈を極めたようです。
しかし、21世紀の今も領地争奪戦争が世界各地で起こっています。人間の性なのか、政治が悪いのか、血の涙が止む日はいつ来るのでしょうか・・

★それでは、またお会いしましょう。Good Luck!